寂光 mp3 |
朧げな眠りに呑まれそうな意識で 身体はでたらめに旋律を欲していた 爪先を流れる不安は星ない夜に 虚ろな言葉を白く映えさせた 例えば 五感で感じ取るもの以外嘘なら 夢はただ夢なのだろうか まるで潮騒の様に寄せて返す痛みは 記憶に置き換えて静謐に移ろいだ 孤独とこの夜を結んで艶めかしい闇へと変わる 静寂の中揺らめいた 淋しさに擬態する悪戯な心理 陽と陰 織成す幾つかの憧憬が また真摯な期待を奪おうとする 淡く柔く浮かんで掻き消した思考で 月の明かりだけを頼りに見る東の夜空 願いは羽ばたく事を忘れてビロードの海を泳いでゆく 眩暈の様に揺らいでいた さめざめと夜は深けて暦を変えてゆく 不可思議な思想で創り出す世界 今「幾つ」が「一つ」に纏まる 本当の闇の中に届く光を見つめていた |